資金調達支援

無借金経営を目指してはいけない

財務マネジメントのテキストには、多くの場合、「銀行に頼らない強固な財務体質を作れ」と書かれています。本当に銀行に頼らない強固な財務体質ができれば、それはまさに潰れない会社作りに寄与することは間違いないでしょう。しかし、いわゆる「無借金経営を目標にしてはいけない」と私は申し上げています。もちろん、何も「どんどん借金をしましょう」と申し上げているわけではありません。

私が申し上げたいのは「ビジネスで勝つための現金を備蓄せよ。その現金が用意できないのであれば、借りてでも現金を持とう」ということ。つまり「借入を躊躇するな」ということなのです。競争に打ち勝てる金銭的に有利なビジネスモデルを築き上げた結果、無借金経営ができることはあるでしょう。それはすばらしいことです。しかし、無借金経営を目標にするのは問題があります。なぜなら、無借金にこだわりすぎた結果、ビジネスで負けてしまっては何にもならないからです。

要するに「無借金経営」は競争に打ち勝った故にもたらされる「結果」であり、経営の「目標」ではないということなのです。私は、借金によってビジネス上3つのものが買えると思っています。

それは「信用」「時間」「安全」の3つです。

信用を買う

通常の商品取引では商品代金の支払いを先にします。
その場合、売上代金を回収するまでの間、資金の立替という経済上の「信用」を無償でお客様に提供することになります。当然その「信用」分だけ会社はお金が足りなくなります。それが自分の資金でまかなうことができれば良いですが、それができずに借入でその資金をまかなったのであれば、まさに借金でこの「信用」を買ったということができるでしょう。

時間を買う

借入金で設備投資資金を賄うことですぐに設備投資をすれば、その時点から生産性向上のメリットを受けることができます。
その場合には、借入金利を支払ったとしても、内部留保金がたまった時点で購入する時よりも早く利益を蓄積できる可能性があります。つまり、借金よって内部留保金を貯めている「時間」を買うことができるのです。

安全を買う

安定成長を目指すのであれば、すぐに使う金だけではなく、有事の際に備えていつでも使えるキャッシュを「厚く」持っておく必要があります。
その「現金預金の積み上げ」を、借入金で行えば、まさに「安全」を買ったということになるでしょう。厳しいビジネスの世界で勝ち残るには、一つでも多くの「武器」を持ちたいものです。借金を「悪」と決め付けるはその武器を自ら放棄をするようなものでしょう。武器である「打つことのできる選択肢」をもたらすのが「手許のキャッシュの余裕」なのです。キャッシュの余裕があれば、資金の決済のために無理に赤字仕事を受注する必要もない一方、周りでお金が無い時ほど機械や会社そのものなどもリーズナブルな価格で手に入れることも可能になります。結果的に手許のキャッシュの余裕が会社の業績に加速度的の差をつけていくことになるのです。つまり、私の考える財務戦略とは、打つべき選択肢を増やすために手許のキャッシュを厚くする。そのためには金融機関からの借入も徹底的に有効活用していくというものです。

ところが、実際には中小企業の経営者には、金融機関とのつきあいかたがあまりうまくない方もいらっしゃいます。その原因の多くが「銀行を特殊なものと考え過ぎていることと金融機関の特性についての知識不足」に起因していると言えます。

さて、会社に必要な経営資源は「人・物・金」と言われます。その内の材料や商品などの提供をしてくれるのが仕入先です。銀行というのは会社にとっては「お金の仕入先」であるとも言えます。材料であれば、安定的な供給と仕入れ価格をできるだけ引き下げるためにも購買ルートは複数確保しておくはずです。これは、お金の仕入先である金融機関であっても同じ事です。お金の仕入れルートである融資のパイプを複数確保し安定的な資金供給を実現するとともに積極的に金利を削減をするためには、適切な知識武装をした上で、銀行間の競争を促進することが必要なのです。もちろん、業績が不振で涙ながらに「お金を貸してください」とお願いをして融資を受けているような会社の金利を引き下げることはできません。また、業績が好調な先でも既に「適正な金利」での融資が行われていれば、そこから金利を引き下げる余地はそれほどはありません。金利を引き下げる余地があるのは「業績が好調なのに、一行取引などのため金利が高いままの融資がされている」会社の場合です。このような場合に「御社の業績が良いので金利を下げておきましたよ」などと銀行が言ってくるはずもありません。「適正な金利」に引き下げるにはこちらから積極的に交渉をすることでことが不可欠です。

実際に私がお手伝いした中にも、長期間高い金利が放置されていたものが競合からの融資を引き合いに出すことで金利は半分程度にまで削減されたものもあるのです。融資の安定的なパイプを確保しながらできるだけリーズナブルな金利で資金を調達できるようにすることは手許のお金を残すためには極めて重要なことです。そして、その残した手許のキャッシュの厚みがさらに企業経営上の選択肢を増やしより競争を有利にするはずです。そのためにも、当事務所では「裏技ではない真っ当な金融機関対応策」を講じることであなたの財務戦略をサポートいたします。

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